こんばんわ!
豊川市の外壁塗装・屋根塗装専門店のグラフィティーです。
今回は、モニエル瓦についてお話しさせていただきます。
♦︎モニエル瓦とは? メリットやデメリット
10年ほど前まで、大手ハウスメーカーを中心に全国各地の屋根材として使用されていた「モニエル瓦」。
いったいどのような瓦なのでしょうか。この記事では、モニエル瓦についてのさまざまな情報を説明します。
1 モニエル瓦とは?
モニエル瓦とは、日本の企業がオーストラリアのモニエル社と共同開発したセメント瓦の一種です。
正式名称は「乾式コンクリート瓦」と呼びます。
人気があったため、社名である「モニエル」という名前が定着しました。
モニエル瓦の主成分はセメントと川砂です。
そのため、塗装しなければ瓦自体には防水性がありません。
通常のセメント瓦と違うのは、「着色スラリー」というセメントの着色剤が
厚め(1mm以上)に塗られていることです。
「スラリー」とは、セメントを製造する際に、原料の石灰や粘土に水を加えて粉砕した泥状のものを指します。
着色スラリーをアクリル樹脂系の透明な塗料で覆ってモニエル瓦を完成させます。
モニエル瓦の製造過程では、人体に有害な「アスベスト」は使用していません。
また、陶器瓦のように高温で加熱することもありません。
そのため、製造過程での二酸化炭素の発生を最小限に抑えられているのも特徴です。
モニエル瓦は2010年にメーカーが解散したため、生産が終了しています。
現在では新築に使われることはなくなりました。
2 モニエル瓦のメリット
モニエル瓦のメリットは以下の3つです。
災害に強い
モニエル瓦は、着色スラリーを塗装することで、強風や豪雨に耐える強度を与えています。
そのため、ほかの瓦に比べて防水性や耐火性に優れています。
遮熱性や防音性に優れている
モニエル瓦は素材自体が頑丈なため、夏の暑い日差しを屋根でとどめてくれる遮熱効果があります。
また、防音性に優れているため、雨音や雑音も気になりません。
デザイン性が高い
モニエル瓦は和型や洋型などデザインにも多様性がある屋根材です。
また、着色スラリーを利用しているため、色彩も豊富です。
3 モニエル瓦のデメリット
モニエル瓦のデメリットは2つあります。
メンテナンスが大変
モニエル瓦の表面には「スラリー層」と呼ばれる層ができています。
スラリー層が劣化すると、瓦の表面が粉っぽくなります。
再塗装の際には、スラリー層をできるだけ取り除くことが重要です。
スラリー層が残ったままの状態で塗装した場合、古いスラリー層が剥がれたときに、塗装が一緒に剥がれてしまう危険があります。
また、モニエル瓦本体には防水性がないため、塗装のコーティングが剥がれた状態が長く続くと水が染み込むことがあります。
そのため、ほかの瓦よりもモニエル瓦はカビやコケが発生しやすくなります。
金属瓦と比べて重い
モニエル瓦は主成分がセメントのため重い屋根材です。
金属屋根の重さは1平方メートルあたり約5キログラムです。
一方で、モニエル瓦は1平方メートルあたり約43キログラムと、8倍もの重さがあります。
4 モニエル瓦がおすすめな人とは?
モニエル瓦は丈夫な瓦です。
そのため、20年を超えて屋根を維持したい方におすすめです。
デザイン性があり色彩も豊富で洋風と和風どちらでも合いますので、屋根にこだわりたい方にもおすすめです。
モニエル瓦の形状は、以下の4種類があります。
和型
和型は、波を打ったような自然なカーブをしています。
湾曲している部分が通気性を確保し、雨や雪もうまく滑らせてくれるでしょう。
また、空気の層を作ることによって、外気温が伝わりにくくなっています。
洋型
洋型は立体的なフォルムをしています。
和風よりも洋風の家に適しているため近年の住宅でよく使われています。
平型
平型は凹凸の少ない形状をしています。
屋根が広く見えるのも特徴の1つです。
和風建築だけでなく、洋風建築にも使われることが多いデザインです。
S型
S型は南欧風の大きく波打った形状をしています。
陰影が美しいデザインで、通気性と断熱性に優れています。
5 モニエル瓦とセメント瓦の違い
モニエル瓦とセメント瓦の違いは、小口と呼ばれる瓦のフチ部分にあります。
小口が滑らかな形状だとセメント瓦、凸凹があってギザギザしているタイプがモニエル瓦です。
基本的に屋根の下から見ただけでは判断できません